2009年6月9日火曜日

「ケニア・ミツバチで農村をチェンジ!」

下記の事例は、本フォーラムが議論の主たる対象としている多国籍企業によるBOP市場戦略とは異なるが、地元コミュニティとの共生(土着化)の参考になるビジネスモデルとして紹介する。

先週始まったNHK総合の新番組 CHANGE MAKERの第1回目 「ケニア・ミツバチで農村をチェンジ!」

放送日時: 6月4日(木) 午前0:10~午前0:40(30分)

内容:
世界で起こっているさまざまな問題に果敢に挑戦し、その解決策をビジネスとしても成功させようとする「チェンジメーカー」。ケニアの人口の大半である貧しい農家は、せまい不毛な土地で生活するのに必死。現金収入はほとんどない。ファルーク・ジワさんは、ミツバチを飼育し、ハチミツを販売する独自のシステムで貧困を解決しようと思いついた。伝統社会のしきたりなど、幾多の壁をのりこえて実現に至った感動の道のりを紹介する。

所感:
アフリカの農家は自給自足で精一杯で、灌漑設備も無く、農業は天候の影響をダイレクトに、強く受ける。従って収入は不安定でこの様な安定して収入を得られるビジネスは喜んで受け入れられたに違いない。
この事業のビジネスモデルのポイントは以下にあると考える。

  1. ミツバチの巣箱はタダで供給しない。ローンで販売する。これにより、蜜を集める事業を行う起業家は自分の仕事に責任を持って取り組む。
  2. 蜜は必ず全て買い取る。その為起業家の収入は安定する。
  3. 巣箱のローン支払は、蜜を買い取る時にその代金の25%を差し引くとしている。毎月いくら支払う、という仕組みではなく蜜が集められて収入が得られる時に支払うという仕組みになっており、無理な返済とはならない。

ちなみにこの事業でも、最初に積極的に参加したのは女性だったとの事(男性は最初そんなものでお金は稼げないと否定した)。マイクロファイナンスもそうだがBOPのキーの一つは女性にいかに参画してもらうかということか。
番組の最後にこの事業を行っているある女性の起業家が取材されていた。この女性は何と自分で巣箱を作っていた。コストも安く、生産性も高いらしい。こういう人がたくさん出てくる仕組みが出来ると貧困の改善は加速するのであろう。

1 件のコメント:

  1. 考えてみれば、初期投資ほぼゼロでも事業が始められる点は、日本でも人気のある「アパート経営」と同じ原理ですね。頭金はほぼゼロで融資を受け、それを投じて事業を始め、そこから得られる定期収入の一部を返済に充てる、というモデル。同じだ。これは応用範囲が広そうです。

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