2010年3月30日火曜日

日本ポリグル 公開実験 (4月3日)

「世界中の人々が安心して生水を飲めるように」を目標に開発途上の国々で浄水技術の普及に努めている日本ポリグルの池浄化公開実験が行われる。同社の技術は飲料用の浄水だけでなく、河川、湖沼、閉鎖海域の浄化に抜群の効果がある。今回の公開実験では、実際に池の水を朝からの作業で午後3時には底まで見えるまで浄化する予定。

日時: 平成22年4月3日(土) 9時~16時
場所: 杭全神社 境内池
    〒547-0046 大阪市平野区平野宮町2-1-67
    最寄駅 JR大和路線平野駅 徒歩7分

参加は有料 (先着120名)。
公道側からの見学も可能。

申し込みは日本ポリグル株式会社まで。

2010年3月24日水曜日

違法VOIPサービスの提供で固定電話業者5社がシャットダウンされる

3月14日にBangladesh Telecommunications Regulatory Commission(BTRC)による一斉検挙が始まった。以来、Dhaka Phone、WorldTel、RanksTel、PeoplesTel と続き、今回National Telecomがシャットダウンされる5番目の企業となった。バングラデシュでは、2009年8月にVOIPライセンスがとうとう発給されたばかりだが、その時点ですでに200社の違法業者がいたと報じられていた。

二日前には2.3-2.4 million minutes/24hoursだった通話量が、24時間のシャットダウン中は70-80,000 minutesに激減した。この急減が違法通話量の証拠だという。

当局は3月23日には合法な回線をすべて復旧させた。

(感想)今回の記事からは、違法なVOIPが先の記事で話題になった海外からの通話を主な対象としているのか、国内での受発信を対象としているのかは不明。いずれにせよ、ライセンスを受けて正規に事業展開するVOIP業者の利益を保護するためにも、この取り締まりは重要であろう。元国営企業でも容赦しないところに政府の意思を感じる。



Aktelの売上高シェア、18.2%に(バングラデシュ)

Aktelは、マレーシアの

AxiataグループとNTTドコモの共同出資による合弁事業である、Axiata(Bangladesh)社が運営する携帯事業のブランド名。2008年の売上シェア15.2%から成長を遂げている。1997年以来GSMサービスを提供し、同国の64districtsすべてをカバーしている。



バングラデシュで「物乞いの元締め」を罰する法律が成立:同国の物乞いの現状

今週月曜に成立した Vagabond and Street Beggars Rehabilitation Act 2010によれば、他者にその手足を切断させて物乞いを強制したことが明らかとなった場合には、懲役5年に加えて50万タカ(約7千ドル)の罰金が科せられる。

警察によれば、物乞いの中には組織的ギャングに雇われ、時には肢体の一部を切断させられて「物乞いとしての価値」を上げさせられ、さらに収入の上前をはねられるといったケースがあるという。

本法律に先立つこと1年、Hasina首相率いる新政権は物乞いを禁じる法律を策定し、物乞いを1か月の禁固刑とした。背景には、物乞いを国から消滅させたいという政策目標(期限2014年)がある。

現在、同国には70万人の物乞いがいる(2005年調査)。この調査によれば、彼らは1日平均100タカ(約1.5ドル)の収入を得ることができる(政府は今月新たな「物乞い調査」を外部へ委託)。先月には、警察がダッカ市内の物乞いを「交通の妨げになる」という理由で一斉検挙し、首都ダッカの外へまとめて退去させた。

(感想)
このような法律が成立するということは、映画「アリ地獄のような街」が、きわめて実話に近いのだということを思い知らされる。また、同国の縫製工場の最低賃金が月1662.5タカであるから、1日物乞いで100タカ稼げてしまうと、20日間で2000タカとなり、最低賃金を上回る。このあたりにもなかなか物乞いが減らない理由があるのだろう。(岡田)

ダッカ商工会議所、金利削減を中央銀行に提案

ダッカ商工会議所会頭のAbul Kasem Khan氏は、バングラデッシュ銀行(BB)との会合で、現在の貸出金利(13%)をひとケタに下げるよう促すとともに、貸出と預入のスプレッド(現行5%)を3%程度に縮めることも提案。これによって国内の起業家が投資活動を行いやすくする必要がある、と指摘。BBの統計によれば、指定銀行(scheduled banks)の2009年12月末時点での金利平均は、
貸出が年11.49%、預入が年6.35%となっている。

2010年3月18日木曜日

Strategy & Society: the link between competitive advantage and corporate social responsibility

Porter, M. E. (2006) "Strategy & Society: the link between competitive advantage and corporate social responsibility" Havard Business Review, December 2006, pp.

2010年3月10日水曜日

ARUN合同会社:「社会的投資」事業

同社は、BOPの現地事業家向けソーシャルファンドを運営する。2009年12月に設立され、「社会的投資」による社会起業家の支援をミッションとしている。事業形態は日本版LLC(注)。
資本金は500万円(功能聡子社長)。

事業内容は、
・途上国における社会的投資
・途上国における社会的企業へのハンズオン支援
・社会的投資家の教育、育成活動
で、主にカンボジアで事業活動を展開している。

注:日本版LLC。2006年5月制度化。一般に日本版LLCは法人格を持ち、出資者全員の有限責任が担保され、かつ運営が自治に委ねられている事業体で、利益に対し法人課税がなされる。

マイクロファイナンス投資

大和証券ホームページでの分類によれば、世界各地のMFIs(microfinance institutions、マイクロファイナンスの実施母体)へ資金提供(投融資)を行うスキーム(MIVs, microfinance investment vehiclesマイクロファイナンス投資ビークル)には、大別して3種類ある。

1)債券ファンド
投資家の資金を集めたMIVsが現地のマイクロファイナンス機関(MFIs)に融資したり、MFIsが発行する債券に投資」し、「主な投資家は欧米の機関投資家や個人の富裕層で、欧州では個人向け債券ファンドも組成・販売されて」いる(出典:上記同ホームページ

日本ではLiving in Peaceとの提携によってミュージックセキュリティーズが運営・販売している「マイクロファイナンス貧困削減投資ファンド」(「カンボジアONE」(受付終了し運用中)、「カンボジア2」(3月15日まで受付中))が日本で初めてのMF投資ファンドとして広く報じられている。ファンドの想定利回りは年約5%である。

2)MFIsへの貸出債権を裏づけとした証券化商品 
「国際開発機関や財団、機関投資家が主な投資家となって」おり、「安全性の高いシニア部分、ミドルリスク・ミドルリターンのメザニン部分、リスクの高い劣後部分に階層分けされることも多く、劣後部分への投資を国際開発機関が担うことで、より幅広い投資家層の参加を促す仕組みとなって」いる。(出典:上記同ホームページ

3)MFIsを対象としたプライベートエクイティ投資

債券型商品(分類1)の過去の実績では、約5-6%で安定した利回りであったということだ。

マイクロファイナンスは、主としてBOPにおける個人や零細事業向け融資であり、多国籍企業による事業自体への投資とは直接関係しない。だが、多国籍企業によるビジネスモデル(例えばグラミンダノンフーズ)の中で、販売や輸送に携わる農村の個人がMFを活用して商品を仕入れたり、輸送用のリキシャを購入したりする際に用いられる。その意味で、BOPファイナンスの構成要素として認識しておいてもよいだろう。

2010年3月9日火曜日

BOPでの営利事業における資金調達

BOPにおいて、経済価値創出と貧困解消を両立させる持続的事業活動を展開しようとする際、その調達資金源には以下のような選択肢が考えられる。

1)個人資金

2)エンジェル投資家の資金

3)一般商業銀行からの融資(事業の収益性見通し、不確実性の大きさ、リスクの高さから、おそらく困難)

4)多国籍企業が資本市場から調達した資金の一部(少なくとも、小規模のパイロット事業として遂行する程度の投資は見込めるだろう)

5)ソーシャルファイナンス機関・ソーシャルファンドからの投融資(後述)

6)政府や国際機関からの超低利長期融資(ODAの一部含む)

7)寄付金(企業の慈善活動資金含む)、政府や国際機関からの補助金・助成金(ODAの一部含む)

すでに先のエントリーで、リスクマネーとソーシャルマネーの組み合わせの必要性を指摘したが、今後「BOPファイナンス」という項目を新設し、上記の分類を修正しつつ用いながら事例とともに世界の動向をフォローしていく。

2010年3月8日月曜日

BRAC創設者のAbed氏、sustainable bankingを目指したGABV会議で貧困との闘いを強調

GABV(the Global Alliance for Banking on Values)とは、Abed氏が創設した世界11行からなる団体。通常の商業銀行からは融資を受けられない人々への融資("social finance"注1)、もしくは地球環境の保護・改善を目的とする事業への融資を目的として持つ銀行が加盟している。総じて"sustainable banking"という志を共有する銀行の集まりである。

3月6日にダッカで開催された会議では、Abed氏が「予見可能な未来において、銀行セクターの第一優先順位は貧困の削減にある。」「気候変動もまた、銀行セクターがコミットしなくてはならないもうひとつの地球的脅威だ」と述べた。同会議では、$250Mの新規資金調達を目指している。オランダのTriodos Bank総裁Blom氏は、「この資金調達により、$2Bの新規融資が可能になる」、と呼びかけた。


注1:social finance:ソーシャルファイナンスというと、ソーシャルネットワークやソーシャルメディアでいう「ソーシャル(P2Pコミュニケーション)」の流れで、「個人対個人(P2P)のファイナンシング、もしくはそれをマッチメークするプラットフォーム型事業」のことをさす場合がある。本項でいうsocial financeとは、社会的価値の増進を主目的の一つとする融資活動のことである。本稿でいうソーシャル・ファイナンスについては、ニッセイ基礎研Report 2005.7に詳しい。

2010年3月3日水曜日

佐藤寛+アジア経済研究所開発スクール編 「テキスト社会開発」

他社で出版した研究成果 テキスト:社会開発

企業の視点からBOPにおける事業を考える際にも、必読の基本図書である。

BOP層の社会経済は、これまで基本的に援助によって維持・改善を遂げてきた。歴史的にはどのような考え方に基づいて支援されてきたのか。

「第二次大戦が終わり、多くの旧植民地が独立した1960年代以降30年以上」(同p.1)、貧困問題は国家としての資金、能力、技術の「不足の問題」(同p.3)として捉えられ、その「補填」が外部者主導で行なわれる「経済開発」というスキームが主流だった。

一方、こうしたトップダウンの経済開発は、「当事者の主体性を損ない、援助依存への受動的な姿勢を生む結果、開発・発展過程が持続的なものとなりにくい」(同p.3)と指摘されるようになった。

そこで、重視されるようになったのが「社会開発」という参加型開発のコンセプトである。その積極的意義としては、いわば経済開発によって生じてしまった貧富の格差拡大などのひずみを是正することが期待されているという(同p.3)。より消極的・現実的意義としては、経済開発によって促進される市場経済化を維持しつつも、その代償を最小化する役割が期待される。

本書では、上記のように開発援助とその背景思想の変遷を説くところから始まり、より具体的な援助領域、援助手法について、検討が加えられている(教育とNGO、健康、水問題、マイクロファイナンス、農村開発、住民組織化、外部者介入の問題、社会調査、人権等)。

そして重要なこととして、「外部者として関わる」ことの意味とわきまえるべき原則を指摘している。

BOPでビジネスを展開する際の特徴の一つは、企業から見れば「非伝統的な」利害関係者との連携である。現地の開発援助に長年携わってきたNGO、政府機関、国際機関等、「通常の」ビジネスモデルには登場しないプレーヤーの役割が飛躍的に大きくなる。そこで学ばねばならないのが「開発」、「開発援助」領域のナレッジと価値観だとすれば、その基本書として、本書は重要な役割を果たすだろう。

JETROホームページでの同書紹介

タタモーターがナノをバングラデシュやスリランカに輸出予定

タタモーターによれば、今年か来年に、近隣諸国への輸出開始を考慮中とのこと。2013年には電気自動車バージョンのナノを欧州市場へ導入予定。
とはいえ、BOP層にはまだ手が出ない(年収の約0.7-3倍以上に匹敵する)価格だ。

現時点の最安モデルの価格(デリー)11万5361ルピー(約22万2600円)

2010年3月2日火曜日

1組5円の蚊取り線香:フマキラーの事例(インドネシア)

日本企業の事例。現地調達率を高め、利益の出るモデルを実現。現地で1200名の雇用も創出。HRマネジメントに小集団活動を導入して奏功。

http://diamond.jp/series/genki/10008/

ダッカ証券市場はバブルか

本記事の分析によればDSEはバブルの状態にあり、あと2-3ヶ月で破裂し、いつ1996年の再現になってもおかしくはない、という。

2009年3月以来、DSE指数は1年間で2.2倍に。

PERも17セクター中11セクターで上昇(対2009年3月)。

アジア諸国の指数と比べても突出して上昇(対2009年3月)。



バングラデシュ中央銀行が食品価格の上昇を注視

中央銀行は、2009年10-12月期報で、コメや砂糖など食品価格の上昇を注視し、適切かつ効果的な方策がとられる必要性を強調した。世界経済危機からの立ち直りに伴う国際商品市場の上昇、少数のサプライヤーによる寡占状況や、それに便乗した投機的な動き、国際商品先物市場からの影響などで価格上昇が生じているとみられ、中央銀行はその証拠となるデータを集める方針という。コメ、砂糖、石油の先物市場は、本財務年度(バングラデシュ企業の財務年度は7月-6月なので、下期は2010年1‐6月の下期も価格を上昇させる圧力になるだろう、と指摘。

一方、上昇幅は、近隣のインドやパキスタンと比較すれば相対的に低い水準という。95-96年を100とする消費者物価指数は、2009年11月には107.24、12月には108.51と、一ヶ月で1.27%上昇した。食品に限ると107.84が109.5(1.66%上昇)に上昇。2010年末までのCPI誘導目標は106.5とのこと。同時期の近隣諸国のCPI:インド111.64(2009年9月)→114.97(2009年12月)、パキスタン110.1(2009年9月)→110.5(2009年12月)、スリランカ100.7(2009年9月)→104.8(2009年12月)

http://www.allheadlinenews.com/articles/7017963673

http://www.allheadlinenews.com/articles/7017960699